なにとはなく

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PATLABOR 2

★★★★★

不思議な映画「パトレイバー 2」。

 

冒頭から通じて、これからの日本の不安を予感させる雰囲気が漂い、見ているのも辛くなりかけたが、所々に現れる押井守監督のエッセンスに助けられて最後まで見続ける。

 

 

そして、ラストの柘植行人の台詞に静かな希望を感じる事ができた。連行中のヘリの中で、松井刑事に「これだけの事をしておきながら、なぜ自決しなかった?」と聞かれた柘植は

「見たかったのかも知れんなぁ、この街の未来を。」

と答える。

 

なんとも頼りがいのないテロリストである。

松井刑事の言うように自決の道を取っていれば、強烈なるメッセージを残せただろうに、それをせずに柘植はこの街の行く末を案じながら生きていく事を選んだわけである。

 

この生臭い感じが、この映画を不思議な雰囲気に包んでいるように思う。

  

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もう一つこの映画の不思議な所は、パトレイバーと題していながらレイバーが活躍しないどころか、殆ど登場もしない。(唯一印象に残っているのは、自衛隊の駐屯地を包囲する際に、トラックの上で寝っ転がっているレイバーだけだ。ラストの戦闘で出てたっけなぁ?)

純粋にパトレイバーが好きな人は、この映画はいまいちなんだろうと思う。

僕は映画版しか見た事無いので分からないが、、、