なにとはなく

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コラテラル/COLLATERAL

★★★★
余計なシーンが全く無く、綺麗に纏まった良作だった。

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冒頭のタクシー運転手役ジェイミー・フォックスと女検事役ジャダビンケットスミスとの何気ない会話が、しっかりラストシーンまで受け継がれ、見終わった後に心地良さを感じる。


本作で暗殺者を演じたトム・クルーズは、演じた暗殺者役が少々間抜けな所もあって失笑気味だったが、アクションシーンでのカッと目を見開いた演技は健在で、この顔を見ただけで盛り上がってきたな、と感じさせてくれる所が凄い。
しかし、未だに僕の中ではミッション・インポッシブル(初代)のイーサン・ハントから抜けられない。

ちなみに出演する映画すべて、全力疾走していると言われるトム・クルーズは本作でもご多分に漏れず全力で走ってます。もういい年なんだが。



この映画で唯一違和感を感じたのは全編を通じてちょこちょこ挟まれる無常感だ。
おそらくは格好良さを狙ってのことだろうが、無常感において右に出るものがいないと言っても過言ではない日本人からすると子供のお遊びにしか見えなかった。
街中でのチェイスシーンの最中に訪れる鹿(!)しかり、ラストの暗殺者トム・クルーズの死に方然りである。
トム・クルーズは最後、地下鉄の中の銃撃戦の後、座席に座るように死んでいく。これは「LAでは地下鉄で死んだ男が6時間誰にも気付かれず放置されている」という映画の冒頭でのエピソードに回帰するわけなのだが、地下鉄で死んでいた人がすべて暗殺者だったわけでもないし、繋がりが薄かったのが少し残念だった。


ちなみに本作はマイケル・マンが監督を務め、疾走するタクシーから見えるロサンゼルスの夜の街並みが美しかった。マイアミバイスでも同様に夜の街並みのシーンが印象的だったが、あのサラサラとした映像はどうやって撮っているだろう?

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冒頭にトランスポーターでお馴染みのジェイソン・ステイサムが運び屋としてちょい役で出演している。