なにとはなく

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Heat

★★★★★

マイケル・マン監督、1995年公開の映画。

存在は知っていたが何故か観る気が起きず、公開20周年を記念したBlulayが発売されていたので、今更ながら視聴。

 

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これがかなり面白く、完全な食わず嫌いだったことを後悔してしまった。

全体の雰囲気としてはマイケル・マン監督らしいサバサバとした映像で、淡々と物語は進んでいくが一つ一つのシーンがカッコいいのである。

話の流れとしては、以下Amazonからの引用、、、

 仕事に憑かれて一般的な家庭生活が送れない刑事ヴィンセント。冷徹無比の犯罪組織のボス、ニール。追う者と追われる者、虚々実々の駆け引きとせめぎ合い。やがて二人はそれぞれの抱える孤独のうちに、奇妙な共感を覚える。だが彼らには避けては通れない運命の直接対決が待ち受けていた。

 刑事ヴィンセント役にアル・パチーノ、犯罪組織のボス ニール役にロバート・デ・ニーロと、コルレオーネ家の親子二大スター共演と、当時は話題になっていたが、僕が観る気が起きなかったのは、まさにこの点だった。

 

こういうビッグネームの共演は、それ自体が目的になってしまったり、観ている方もそこに目が行ってしまい、肝心の映画はというと中身が薄れてしまうことが往々にしてある。本作もゴッドファーザーⅡ以来の二人の共演らしく(正確にはゴッドファーザーⅡでは二人の共演するシーンは無いため、本作がある意味初共演)、本作もそんな話題性だけの映画かなと思っていたのである。

 

ところがすっとこどっこい、静かでHeatな戦いを繰り広げる刑事とボスの役がこの二人だからこそ、観る者を熱くしてくれるものだった。

素行は下品で仕事一筋の刑事ヴィンセントは2度の離婚を経験し、今また3度目の危機が訪れている。自分のあるべき姿となりたい姿の葛藤に苦しんでいる。

犯罪組織のボス ニールも同様にあるべき姿となりたい姿の間で揺れ動く。

「何かあれば、30秒フラットで高飛びできるようにしておくべきだ」

ニールの犯罪者としてのモットーだが、長年組んできた仲間たちの家族を築いていく姿に心が揺れ動き、新たな恋人と新たな生活を始めようとする。

結局はあるべき姿に引きずられ最後の決着を迎えてしまう。

この同じような葛藤を抱えた、追う者と追われる者が同じビッグネームであったからこそ、この映画のカッコよさは完成したのであろう。

さらに、ビッグネーム共演と言いつつも脇役もかなり豪華で、

ニール(ロバート・デ・ニーロ)の犯罪組織だけでも

ヴィンセントの(アル・パチーノ)の娘役に

他にも、アシュレイ・ジャッドやウィリアム・フィクナー、デニス・ヘイスバート(24のパーマー大統領)、羊たちの沈黙バッファロー・ビル等々、かなり豪華。

この辺を見ているだけでも飽きない。

 

冒頭で触れた映像も秀逸。相変わらずマイケル・マン監督の夜景は綺麗で、またコラテラルマイアミ・バイスを観たくなってしまう。

また今作のハイライトである白昼の銃撃戦は圧倒的で、20年前の映画とは思えない。さらに映像もさることながら、銃の音は実際の音を使用しているらしく、すごく乾いた音だが、妙なリアルさがあった。また5.1chでの作りこみもしっかりしていて、銃撃戦の迫力も凄かったが、冒頭でデ・ニーロが病院内をただ歩いているだけシーンの音でさえ、しっかり5.1chになっていた。

 

最近はこういうガッチリした映画を観なくなったなぁと思う今日この頃である。 

 

 

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