なにとはなく

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Devil(原案:M・ナイト・シャラマン)

★★★★

シックスセンスで一躍脚光を浴び、最近はいまいちぱっとしない?M・ナイト・シャラマンが原案を努めた2010年の映画。
本作はシャラマンが製作を努め、若手監督がメガホンをとる「ナイト・クロニクル」と呼ばれるシリーズ物の第一作らしい。シリーズ物と言っても、話には関連は無いらしく本作も80分という以上に短い時間にまとめられた一話完結物である。

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トーリーは、高層ビルのエレベーターに五人の男女が閉じ込められ、停電が起こる度に一人づつ殺されていく。最後に残るのは誰か?犯人は?といった、よくあるシチュエーションを限定したスリラー物である。
出ている俳優もどっかで見たことある?という人が数人いるだけで、映画自体には華やかさはないが、エレベーターという非常に狭い空間の中で起こる殺人劇はスリリングがあり見ていて飽きることは無かった。

ラストも割と上手くまとめられており、真犯人の暴かれ方もちゃんと考えられてはいたが、如何せんシャラマン監督の原案なので、真犯人の正体や、ラストの主人公のセリフは少し「ふわぁ~」っとしてしまったかな、という印象。
(シャラマン監督の映画はいつもラストが「ふわぁ~」というか「もわぁ~」っとしてしまう印象しかない)

とはいえ、80分の映画としては満足度の高い映画だった。

最後にこの映画の良かった点を、、、
この映画のオープニングは変なカメラアングルから始まる。
海の上を走るヘリコプターから、海を撮りながら徐々にカメラアングルを上げて行き、ずわっと都会のビル群が映るシーンと言うのは、よく用いられる映画のオープニングだが、この映画のオープニングではこのシーンが上下逆さまで始まるのである。
(カメラを上下ひっくり返して撮影している映像)
そしてカメラは上下逆さまのまま、街のビル群を撮影して行き、最後に本作の舞台となる高層ビルの屋上からエレベーターシャフトまで映像は続いていく。
これがなかなか気持ちの悪い映像で、若手監督と言うことで格好つけてこんな変なオープニングにしているのだろうと、最初は少し嫌悪感を感じながら見始めた。
映画が終わる頃にはそんな嫌悪感も忘れかけていたが、ラストシーンを見て合点が言った。
ラストシーンでは、上下逆さまでは無く、よくある海からのビル群が映るシーンが唐突に入り映画は終わる。

映画の冒頭と終焉では世界が逆転している。
これはすなわち主人公の心の変化を表しているのだろう。
劇中で、エレベーターに閉じ込められた人に呼びかけた主人公のセリフ
「よくないことが起こった時、人はよく世界が悪いと言う。悪いのは周りだと。しかし実際には自分が悪いんだ」(うろ覚え) 

 

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