なにとはなく

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オブリビオン / OBLIVION

クラウドアトラスに続きSF物で良作を見ることができた。

ジョセフ・コシンスキー監督、2013年の映画オブリビオン

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宇宙人の侵略に打ち勝ちはしたが、荒廃してしまった2077年の地球で、土星への移住の準備のため、パートナーのヴィクトリアと2人で地球に残っているジャック・ハーパー(トム・クルーズ)は、毎日地球の資源を回収する装置をメンテしながら、未だ地球に残る宇宙人の残党と戦っている。任務のために5年以上前の記憶は消されてはいるが、壊滅する前の地球でいつも同じ女性と出会う夢を見ていた。そんなある日、地球に墜落した宇宙船から救出したジュリアは、ジャックがいつも夢の中で見ていた女性だった。

と、あらすじを書いただけで、感のいい人なら大体のストーリーは見えると思う。かくいう私も見始めて1時間もしないうちに、なんとなくストーリーは読めてしまった。しかし、まるで退屈はしなかった。

 


理由は2つある。

ひとつは映像がとても美しいことだ。荒廃した地球には、あちこちにかつて栄えた街の残骸が残っており、それらが荒んだ大地に上手く溶け込んでいる。一方でジャックの周りにある近未来的な住居や乗り物は洗練されたデザインで見ていて飽きない。 

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ふたつめはジョセフ・コシンスキー監督の作風だ。
映画の前半1時間は荒廃した地球でのシーンが淡々と続く。ここでは一つ目にあげた映像の美しさも会い待って、無味無臭の冷たい雰囲気がどこか不安な気持ちにさせてくる。これは映画の後半になって明らかになる主人公が置かれた立場を上手く表していると思った。映画全編を通して見てもアクションシーンを除けば凄く控えめで、ジャックが失われた記憶を取り戻して行く過程と相性が良かった。


しかし、コシンスキー監督が意図してこのような演出をしているかは怪しい。前作トロン-レガシー-でも似たような作風だったからだ。トロンは映像も綺麗で雰囲気も好きだったがが、迫力に欠けイマイチ盛り上がりが無いままで終わってしまい、勿体無い映画だな〜と思った。

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やはり映画は監督と脚本の相性が大事なんだと実感した本作。
本作はおそらく相性はバッチリだと思う。


不満を2点だけ。
トロンの時も思ったが、この監督はシーン間の繋がりが悪い。例えば、ジャックが故障した装置の調査にバイクで向かう。調査を終え戻ってくるとバイクが何者かに盗まれている。「俺のバイクが〜!」と叫んだ次のシーンで、普通に家に帰ってきている。こういう感じのシーンが何点かあって、せっかく雰囲気のいい映画なのに、つんのめってしまう。

もう一点は終わり方。
ネタバレになるので詳細は省略するが、いまいちハッピーな感じがしないし、あの終わり方のせいで余計な疑問点が湧き出してきてスッキリしなかった。
ジュリアは最後に笑顔を見せていたが、本当にあれで幸せなのか?

 

 

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