遊星からの物体X ファーストコンタクト
★★★
1982年の遊星からの物体X(ジョン・カーペンター監督)の続編、ストーリーとしては前日譚になる。
一点を除いてはかなり楽しめる映画だった。
一点については後にするとして、まずこの映画、なにか新しい物を取り入れることは一切せず、82年版の雰囲気を重視し、ただただ前日譚たろうとしている感じだった。
それはストーリーやギミックの節々に、82年版への繋がりが感じられるシーンが多数出ていることからも分かるし、エンドロール中に挿入されるシーンなどはそのまま82年版へと繋がっている。
こういった前日譚や後日譚を描く映画は往々にして、現代風の要素が無理矢理ねじ込まれ、このせいでいまいち映画の世界に感情移入することができず、結局別の映画のように感じてしまうことが多い。
その点、この映画はCGによって、よりリアルに物体Xが表現されることにはなっているが、物体Xの持つ雰囲気は30年前のテイストのままだ。そのおかげで非常に見やすい映画に感じられた。
ただし、ファーストコンタクト版の物体XはCGのせいなのか、気持ち悪さは82年版程ではなかった。
よりリアルになっているはずなのに、作り物な感じがするというのはなぜなのか?人間の目は、見えた物を見えたまま見ているのではなく、脳内で一旦処理してしまうらしいが、この辺が関係しているのだろう。
より粗い作りの方が、人間の想像力を刺激し、よりリアルに感じさせるとは何とも皮肉な話である。
ところで、主役のケイト(メアリー・エリザベス・ウィンステッド)は最後どうなったのだろうか?
最後に、冒頭で述べた1点だが、物体Xの宇宙船である。あの醜い物体Xがこんな宇宙船にのるのか?!と言いたくなってしまう。
この宇宙船だけは出す必要なかったと思うなぁ。
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